マンデリンの交配種

近年、マンデリンの特徴であったアーシーな(土のような)風味と独特のボディが薄れてきていると感じることが多くなりました。鼻で感じるアロマはまだアーシーさはあっても、味覚で感じるフレーバーはどこかさっぱりとした明るい酸になっていて、かつてのどっしりとした良い意味でのスモーキーさがあまり無いものが主役になってきています。

原因ははっきりしていて、収穫量に優れ病害に強い品種との掛け合わせによって生まれた交配種がメインになってきたためです。以前、コロンビアがコロンビア種(バリエダコロンビア種)という病害に強い交配種を前面に押し出して、風味の面で評価を落としていたことがあります。その後何度も改良を重ねて優れた品種を生み出しクオリティは上がりましたが、伝統的なティピカやブルボンだけを扱っている国は今やほとんどないでしょう。

昔ながらのアーシーフレーバーを持っているマンデリンかどうかを見分けるには、ティピカかブルボンがどれだけ入っているか、が一つの指標になります。アテンやティムティムといった他の地域では見られない品種や、あるいはカチモールという広く知られた改良品種が多くを占めている銘柄の場合、ボディが軽くすっきりとしたキレのある苦味、やや乾いた印象の風味であることが多い。それ自体は決してマイナスの味ではないのですが、ミルクのような質感を記憶に残している世代にとっては別物と感じてしまいます。

もし、伝統的なコクを残しているマンデリンをお求めで品種の確認が難しい場合は、ティピカが多くを占めているマンデリンのトバコがおすすめです。

カチモール種がメインのマンデリン。昔よりもだいぶ生豆のサイズが小さくなっているような気がします。焙煎するとかなり膨らみますが、それでも驚くほどの大きさだった以前よりは小さいです。