ケニアの焙煎

ケニアを焙煎しました。

今までケニアは粒の小さいABグレードを使用していたのですが、華やかで繊細な風味がありながらも昔ながらのケニアらしい力強さに欠ける印象があり、今回から大粒で肉厚のAAグレードに切り替えました。マンデリンのような広くて薄い形の大粒豆ではなく、前後に厚い丸みを帯びた形でありいかにも硬そうな豆面をしています。

大粒かつ高地産の硬質豆なので焙煎前半の水分抜きを丁寧に進める必要がありますが、色付きが分かりやすくムラも出にくいため煎り止めはやりやすい部類に入ります。

2ハゼのピークを過ぎてフレンチローストを超えたあたりまで煎り進めるといかにもケニアらしい、スモーキーさとフルーティーさとが混ざったような力強い香りが漂ってきます。さすが大粒のAAグレードといったところです。

粉にして飲んでしまうのに豆のサイズが何か関係があるの?と思われるかもしれませんが、これが大有りで、小粒より大粒のほうがコクと香ばしさ、良い意味での味の重みで明確に上回る傾向があります。良質の小粒豆はどちらかと言えばフルーティーで爽やかな風味が持ち味で、昔ながらのケニアの太く香ばしいイメージとやや離れてしまっているような気がします。豆の良し悪しにサイズは関係は無いのですが、個性という面では確かに違いがあり、特に深煎り向きの豆に関しては豆のサイズをまず最初に確認するようにしています。

審査員によるカッピング技術が発達し品質の客観的な評価も進んではきましたが、サイズで決めるケニアのAAや産地の標高で決めるグァテマラのSHBなどの旧来のグレード評価は決して曖昧なものではなく、重要なデータであることはスペシャルティの時代になっても変わりません。