半熱風式焙煎と予熱 (1)

焙煎方法には焙煎機の種類によって直火式、熱風式、半熱風式の3種類に分けられます。

・直火式

豆を入れたドラムにパンチングメッシュの穴があいて網目になっており、豆に直接火が当たる。豆の個性が出やすく風味が豊かになる反面、雑味も出やすい傾向がある。急ぐと焦げてしまうため、少量焙煎向き。

・熱風式

豆やドラムに火を当てず、熱源から発生した熱風で豆を加熱する。均一でムラがなくすっきりした味に仕上げやすいが、風味が弱くなりがち。急激な加熱が可能なため、大量焙煎向き。

・半熱風式

穴の空いていないドラムに火を当て、その火から発生した熱風も送り込む中間型。ドラム内側の面の熱と熱風を組み合わせて豆を加熱する。

半熱風式が特徴のない半端な性能のように見えますが、豆の個性に応じて直火寄りか熱風寄りかの選択ができます。深煎りなので7:3の直火寄りの強めの味にしたい、あるいはブレンド用のすっきりした熱風系の酸味にしたいといった使い分けが可能です。

強火でドラムを加熱すれば熱風の温度も連動して上がり、弱火にすれば下がるので、どちらで進めても直火成分と熱風成分の比は同じになるように見えますが、その比率を変えるのが釜の予熱と焙煎機の蓄熱です。