インドの焙煎

インドといえば紅茶の国と思われていますが、ベトナム、インドネシアに続くアジア3番目のコーヒー生産国であり、品質重視のアラビカ種の生産量においてはアジア最大を誇ります。インド国内の消費も多く、まごうことなきコーヒー大国といえるでしょう。

インドコーヒーの中でも際立った特徴を持つ生産処理の一つに、収穫されたコーヒー豆を数週間もの間、貿易風に当て続けて乾燥させるというものがあります。出来上がった豆は「モンスーンコーヒー」と呼ばれ、コーヒー生豆としてイメージされているグリーンビーンズとはとても呼べない色になります。イエローです。

手ですくっただけですぐに分かるほど豆が軽く、これだけ水分が飛んでしまっていては味もさぞスカスカだろうと思いきや、意外なことにベストポイントは深煎り。フレンチローストをも超え最も深いイタリアン、ダークローストまで煎り上げて真価を発揮します。酸味が一番少ないコーヒーをお求めの方にはいつも最初におすすめしています。

麦のようなフレーバーにシナモンやサフランといった香辛料を乗せたような、またはモルト(タル)のような木の香り、あるいはビールのような苦味と旨みがあります。共有しやすい味でありながら言語で正確に伝えるのが少し難しい、なんとも言えないエキゾチックな風味です。

もともとはインドからヨーロッパへの船の長旅で風にさらされて出来上がったモンスーンコーヒーですが、今は意図的に貿易風を当ててそれを再現したものになっています。