グァテマラのナチュラル

ナチュラル製法といえば以前は豆のバラつきが多く、きれいな酸味に欠け、場合によっては発酵臭がついてしまうといったマイナスのイメージがありましたが、丁寧な管理がなされていればフルーツや酒類のような独特の香気が生まれ、近年ではウォッシュドと併せて生産する農家も増えてきました。特にグァテマラやエチオピアのような高地産のものはその硬い豆質、濃厚な成分と合わさって鮮烈な風味があり、ウォッシュドと比べてやや劣るクリーンさを補って余りある個性があります。

生豆の見た目からしてバラつきがあり、焙煎の進行時も煎りムラが常に見える状態で、均一に仕上げるのは大変なのですが、芯まできちんと火が通り豆の内外の煎りムラさえ起きていなければ、多少バラつきがあっても香気の量で圧倒してしまうほどの力があります。

面白いのはフルーツ系といってもそのタイプが国や地域によって違うところで、青リンゴ、洋ナシのような風味のものもあればストロベリーやピーチに寄っているものもあります。このグァテマラ アルト・デ・メディナ農園のものはパイナップルのようなギラついた明るい酸を感じます。

もともとはココアのような芳醇で丸いビター系のキャラクターを持つグァテマラですが、この果物の風味が合わさったことで複雑な風味に仕上がっています。