季節の変わり目の焙煎 1

春先から夏にかけては焙煎の調子が狂うと良く言われます。

これは保管状態により生豆自体が温まっており同じ窯の予熱と火力でも焙煎の初期温度が上がってしまい焙煎時間が短くなってしまうことも理由の一つですが、それよりも室内と室外の気温差により煙の排気スピードが変化してしまうことが大きな理由と思われます。空気は温かい所から冷たい所に移動するので、部屋が温かく外が寒い冬場は煙が排気口を通じてどんどん窯から排出され、部屋が涼しく外が暑い夏場はその勢いが弱くなります。

窯出しの際に多くの煙が放出されますが、窓を開けても夏場は換気扇を使わないと容易に部屋から煙が逃げてくれません。ケニアを最大量焙煎した時などは部屋中の天井が真っ白になってしまいます。

この排気の強さが焙煎の味作りに決定的な影響を及ぼします。